美味しいコーヒーの点(た)て方(ペーパードリップ編)

コーヒーは、入れる?淹れる?点(た)てる?

コーヒーを作ることを「コーヒーをいれる」とか「コーヒーをたてる」と言いますが、この違いをご存知でしょうか?
コーヒーを「入れる」と言った場合、それは文字通りコーヒーを入れる事です。「入れる」とは、外から中に移すこと。つまり、お湯をポットからコーヒーとして、カップに移すことになります。「コーヒーをいれる」と言った場合、コーヒーを「淹れる」と書く場合もあります。「淹」という漢字には「水にひたす・水につける」という意味があります。お茶のように急須にお湯を入れて、茶葉を浸して作る場合などは「淹れる」を使います。ドリップの時にコーヒーを「淹れる」と言った場合、お湯をコーヒーに浸すようにしてカップに落とすといった感じになります。
では、コーヒーを「点(た)てる」と言った場合は、どうでしょうか?「点(た)てる」は、元々、茶道の言葉です。茶道では、お茶を「点てる」と言います。抹茶にお湯を注いで、茶筅でかき混ぜて作ることです。コーヒーを「点(た)てる」と言った場合、ドリップの時にコーヒーの粉が動くように(混ざるように)お湯を落とし入れることです。粉が動くことで、しっかりとしたコーヒーを作ることが出来ます。しっかりとしたコーヒーというのは、濃いコーヒーという意味ではなく、コクのあるしっかりしたコーヒーのことです。しっかりとしたコーヒーになることで、甘味やコクなど、奥行を感じることの出来るコーヒーを作ることが出来ます。
コーヒーを「点(た)てる」と、コーヒーを「淹れる」では、このように大きな差が生まれます。「淹れる」はコーヒーを濾(こ)しているイメージですが、「点(た)てる」はコーヒーを抽出しているイメージです。 美味しくコーヒーを飲んでいただくために、コーヒーの点(た)て方を紹介させていただきます。

美味しいコーヒーの点(た)て方(ペーパードリップ編)

1.コーヒーカップにお湯を注ぎ温めます。温めた後、カップを空にしてください。ドリッパーが陶器の場合は、コーヒーを点(た)てる時に温度が下がりますので、必ず温めてください。

2.ペーパーフィルターの底側のミシン目を、ミシン目に沿って折ります。底を折った後、ペーパーを裏返します。

3.裏返した後、横側もミシン目に沿って折ります。 横側と底側は、互い違いになる様に折ります。

4.コーヒーカップの上に1杯用ドリッパーをセットし、ペーパーをセットします。

5.今回は、1つ穴ドリッパーを使用しています。

6.コーヒーの粉の量は、1つ穴ドリッパー使用の場合、1杯(120cc程度)あたり10~15gが目安です。すり切り8gのメジャースプーンで2杯(約15g)です。3つ穴ドリッパー使用の場合は、落ちるスピードが速いため、3gほど多い方が良いでしょう。穴の大きな円錐形ドリッパー使用の場合は、更に落ちるスピードが速いため、コーヒーの粉も多い方が良いでしょう。

7.コーヒーの粉は、細かく挽くと雑味やエグ味が出るので、細かく挽きすぎない様にご注意ください。中挽き程度がオススメです。

8.表面を軽く整えます。

9. 沸騰させたお湯を、適温である85~95℃になるように少し落ち着かせます。必ず、沸騰させてください。この時、水の中の酸素量が少なくなるため沸かせすぎには注意してください。適温になったら、まずコーヒーの粉全体に行き渡るように軽くお湯を注ぎます。ドリッパーの穴からコーヒーが落ちてこない程度の湯量を注ぎ、かつ、コーヒーの粉全体にお湯が行きわたることが理想です。

10.コーヒーの粉がしっかり膨らみきるまで、蒸らします。この膨らみは、コーヒーの鮮度と香りの高さに比例しています。膨らむコーヒー豆ほど鮮度が良く、香り高いコーヒーです。

11.完全に膨らみきったら、泡の消えないうちに再びお湯を注ぎ始めます。中心から外側に向けて、ゆっくり「の」の字を書くようにお湯を注ぎます。「の」の字を繰り返し書くようにして、2~3回に分けて定量のお湯を注いでください。

12.この時、①のように「の」の字を書きながら、注ぎ口を上下させます。上下させることで、お湯の注ぎ方に強弱がつきます。強弱をつけることで、コーヒーの粉が動きます。このようにコーヒーの粉が動くように(混ざるように)お湯を落とし入れることが、「点(た)てる」です。

13.この表面に浮かんでいる泡は、コーヒーの灰汁(アク)です。2~3回に分けてお湯を注ぐ時は、この灰汁(アク)がカップに落ちてしまう前にお湯を注ぎ入れ、灰汁(アク)を表面上に浮かせてください。

14.全てのお湯が完全に落ちきる前に、ドリッパーをコーヒーカップから外します。これは、コーヒーカップの中に灰汁(アク)が落ないようにするためです。これが落ちると、コーヒーの雑味やエグ味がカップの中に入ってしまいます。

15.完成です。