ニカラグア
ヴァリエダ-ローリナ
ナチュラル・プロセス
エスコンディーダ農園

nicaragua varieda-laurina natural process finca la escondida

コーヒーの名門ミエリヒ家の新たな挑戦

nicaragua varieda-laurina natural process finca la escondida ニカラグアは、中米の中央部に位置し太平洋と大西洋の間にあり両方の大海に面しています。北にホンジュラス、南はコスタリカに接しています。中米最大の面積を持ち西部は山岳地帯で東部にはジャングルが広がっています。ニカラグアのコーヒーは、ホンジュラスとの国境を有するヌエバ・セコビアとヒノテガ、その南に位置するマタガルバが主な生産地です。1850年頃、ニカラグアに持ち込まれたコーヒーは、中米最大の湖であるニカラグア湖北部あたりで栽培が始まっていたとされ、その後、マタガルバに移入されニカラグアの有力産地に成長していきました。エスコンディーダ農園は、リモンシリョ農園などで世界的にも有名なコーヒー生産者であるエルイン・ミエリッヒ氏の農園です。オーナーであるミエリヒ家とコーヒーの歴史は古く、1888年に遡ります。 ドイツの地質学者だったブルーノ・ミエリヒ氏が、地質調査と鉄道建設のサポートのためにマタガルバに到着したのが1888年です。その貢献にニカラグア政府はマタガルバの北の高地を彼に与えました。そこにコーヒーを植えたのが、マタガルバ地域のコーヒーの歴史の始まりです。現在、ミエリッヒ氏は、マタガルバに3農園、ヒノテガに5農園、隣国ホンジュラスに1農園と、複数の農園を運営しています。ミエリッヒ氏は、ニカラグア固有のジャバニカ種の生産や、彼が考案した精製方法ファンキー・プロセスなど、スペシャルティコーヒーの新しい時代を牽引する業界のリーダー的な存在です。スペシャルティコーヒーのコンテストであるカップ・オブ・エクセレンスのヘッドジャッジを務めるほど品質鑑定にも精通したミエリッヒ氏は、単独オークションが成立する数少ないスペシャルテイコーヒー生産者の一人です。そんなミエリッヒ氏が新たに挑戦したのが、生産が非常に難しく、収穫量が他のアラビカ種の30%程度とされる稀少品種であるヴァリエダ-ローリナです。ヴァリエダとはニカラグアの公用語であるスペイン語で品種という意味で、ヴァリエダ-ローリナとはローリナ種という意味です。

コーヒー史上もっとも重要な島で生まれた幻の稀少品種

nicaragua varieda-laurina natural process finca la escondida アフリカのエチオピアで生まれたコーヒーは、9~10世紀にアラビアで秘薬として飲用されるようになりました。1628年にオランダの商船がアラビア半島のモカ港にたちより、40袋のコーヒー豆を母国に持ち帰ったのが、ヨーロッパ人が始めて買ったコーヒー豆です。その後、イエメン、インドを経て、17世紀末(1696、1699年)にオランダがコーヒーノキをインドネシアのジャワ島に持ち込み、プランテーションによる大規模栽培が成功します。ジャワ島からオランダのアムステルダム植物園に持ち帰られたコーヒーノキ(1753年、この木の子孫の標本はアラビカ種という学名を付けられ、1913年に学名アラビカ種ティピカと変更されます。)の1本が、ブルボン朝フランス国王ルイ14世に贈られました。これを気に入ったルイ14世は、1715年にイエメンでコーヒーノキを手に入れブルボン島(現在のレユニオン島)で栽培させます。ブルボン島は、アフリカ大陸の東400kmのマダガスカル島から更に東800km、インド洋に浮かぶ2500k㎡の小さな島です。たった1本だけ根付いたコーヒーノキから、ブルボン島は一大コーヒー産地となりました。イエメンから持ち込まれたコーヒーはブルボン島で突然変異し、1858年ブラジルに移入されブルボン種と呼ばれるようになります。世界中に広がったブルボン種は、前出のティピカ種とあわせ、現在、二大アラビカ品種と呼ばれています。
 1771年、ブルボン島で先の尖った新種のコーヒーノキが発見されます。新種はリロイ種と名付けられますが、通常のブルボン種と区別するため、フランス語で尖ったという意味のポワントゥ(pointu)から、ブルボンポワントゥ(尖ったブルボン)と呼ばれるようになります。ブルボンポワントゥは、素晴らしい香味のコーヒーとして、本国フランスで重宝がられたそうです。しかし、ブルボン朝が滅亡し、島の名がレユニオン島となり、島のコーヒー生産は徐々に衰退していきます。そして、ブルボンポワントゥは、1942年の輸出記録を最後に姿を消しました。しかし、1999年にレユニオン島で再発見されたブルボンポワントゥの木4本を足がかりに、2006年に完全復活させることができました。
 一方、ブラジルにブルボン種が移入された時、先の尖った新種のブルボンが混ざっていたようです。その尖った新種のコーヒーノキは、月桂樹に似た葉を持っていたため、月桂樹のフランス語であるローリエ(Laurier)から名前をもらい、ローリナ(Laurina)種と呼ばれるようになりました。ブラジルのカンピナス農業試験所では、1859年に品種としてローリナ種が登録されています。ローリナ種は栽培が難しく、収穫量が他のアラビカ種の30%程度ですが、素晴らしい香味を持つコーヒーとして高く評価されている品種です。ただ、あまりの生産性の低さから、ほとんど栽培している農園がないのが現状です。レユニオン島で再発見により再び注目されることとなったブルボンポワントゥですが、各国のコーヒーの研究機関によりブラジルのローリナ種と同一のものだということが明らかになっています。時代は遡りますが、1880年、先の尖ったブルボンは、リロイ種としてニューカレドニアにも移入され、現在も細々と生産されています。
 姿を消したと思われていた幻のコーヒーは、近年の再発見で素晴らしい香味が再び注目されるようになりました。エルイン・ミエリッヒ氏も新たな挑戦として、このローリナ種を入手し、当時の精製方法であるナチュラル・プロセスで精製しています。しかも、当時の精製よりも遥かにレベルの高い現在の精製技術の中でも、トップ・オブ・トップの技術を持ったエルイン氏のナチュラル・プロセスです。ニカラグアのヒノテガ、アパナス湖の近くにあるエスコンディーダ農園で、大切に育てられた完熟コーヒー果実を丁寧に手摘みで収穫し、綺麗に天日乾燥させたヴァリエダ-ローリナは、風味豊かで濃厚なコクを楽しめる至高のコーヒーと呼ばれるに相応しいスペシャルティコーヒーです。

カフェインが通常のアラビカ種の50%

 ローリナ種は、デカフェ(脱カフェイン)処理をしなくとも、天然のままでカフェインが通常のアラビカ種の50%です。天然の低カフェインのコーヒー品種です。

テイスティング ノート

オレンジピールのような爽やかさと、マーマレードのような甘味、ブルーベリーのような明るさと、レーズンのような濃厚さ、飲み進めるとチョコレートのようなまったりとした甘味が広がります。

                                                                                                                        
甘味 ★★★★★★★
コク ★★★★★★★
まろやかさ ★★★★★★★
香り ★★★★★★★
酸味★★★★★
苦味 ★★★

★印8段階、オススメ焙煎での評価です。

コーヒー豆 データ

農園名 ラ・エスコンディーダ農園
農園主 エルイン・ミエリッヒ
エリア ヒノテガ
品種 ローリナ(ブルボンポワントゥ)
プロセス ナチュラル・プロセス
標高 975m~1200m
オススメ焙煎 中浅煎り