インドネシア
スマトラ
ワハナ ロングベリー
ウォッシュド
ワハナ・グラハ・マクムール農園

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良質な産地であるスマトラ島トバ湖周辺

indonesia sumatora wahana longberry washed 東南アジア南部に位置するインドネシアは、5110kmと東西に非常に長く、また世界最多の島々を抱える国です。インドネシアのスマトラ島で生産されるアラビカ種のコーヒー豆は、マンデリンと呼ばれ、世界中で愛されているコーヒーのひとつです。スマトラ島北部にあるトバ湖は、過去200万年の間で地球最大の噴火が起こった跡と言われているカルデラ湖で、そのトバ湖の西側にワハナ・グラハ・マクムール農園はあります。この地域は、最高品質のコーヒー豆を育て上げるのに、非常に適した条件が揃っています。火山がもたらした豊かな土壌は軽石を多く含み、年間を通して一定の湿度を維持しています。標高1200~1300mの高地にあるため昼夜の寒暖の差が大きく、コーヒーの樹は種子であるコーヒーの豆を守ろうと実が栄養をたくさん蓄えます。栄養をしっかり蓄えたコーヒーの実はコーヒー豆に栄養をたくさん与え、最高品質のコーヒー豆を育てます。

ワハナ・グラハ・マクムール農園の新たな挑戦

 北スマトラ州メダンから南に位置するダイリ県シディカラン。ここに非常に先進的なコーヒー生産の取り組みが実践されているワハナ・グラハ・マクムール農園があります。この農園では、460haという広大な敷地の中でコーヒーや野菜などが生産されています。その敷地内にあるコーヒー精製処理施設には、世界レベルの新鋭マシンが随所に導入されており、世界的にも類をみないほど非常に高い水準にあるといえます。「これまでにない新しいマンデリンがつくりたい」と【スマトラ マンデリン ナチュラル ワイニー・プロセス】を作りあげたワハナ・グラハ・マクムール農園は、常に新しいことに挑戦している農園でもあります。世界中から集めた様々なコーヒー品種をテスト的に栽培し、新たな精製方法なども研究しています。この【スマトラ ワハナ ロングベリー ウォッシュド】も、その新たな挑戦での成果のひとつです。

謎多き品種ロングベリー

indonesia sumatora wahana longberry washed この【スマトラ ワハナ ロングベリー ウォッシュド】は、インドネシア・スマトラ島北部のアチェ・エリアでのみ栽培されていた品種ロングベリーを、シディカランのワハナ・グラハ・マクムール農園に持ち込み、2007年よりテスト的に栽培を始めた品種です。このアチェのロングベリーという品種は、同じスマトラ島のアラビカ種であるマンデリンとは明らかに異なり、その非常に特殊な形状と風味などから、エチオピアの原種に近いものではないかと考えられます。しかし、いつどこから来たのか、履歴情報など不明な点も多く、謎に包まれたコーヒー品種です。その謎を解くには、コーヒーの歴史的背景を考えなくてはなりません。

 最近の定説では、エチオピアのアビシニア高原がコーヒー発祥の地だといわれています。その後、アラビア半島のイエメンに渡り、コーヒーは飲用されるようになりました。インドネシアには、1700年頃にイエメン、もしくはインド経由でジャワ島に持ち込まれ、インドネシア全土に広がりました。その後、インドネシアのコーヒーは「ジャバコーヒー」と呼ばれるようになり、エチオピア・イエメンのモカとあわせ、モカジャバ黄金時代に突入します。1709年、ジャワ島からオランダのアムステルダム植物園にコーヒーノキが送られます。この時に送られたコーヒーノキの栽培は続けられ、1753年、このコーヒーノキの子孫の標本にアラビカ種という学名が付けられました。1913年、この標本は、アラビカ種の標準という意味から、学名をアラビカ種ティピカと変更されます。一方、1714年、アムステルダム植物園のコーヒーノキの子孫は、フランス国王ルイ14世に贈呈され、パリ植物園に移植されます。その後、フランスからカリブ海に浮かぶマルティニーク島に伝えられ、中南米から世界中に広まりました。こうして世界中に広まったティピカの中には、ジャマイカのブルーマウンテンやハワイのコナなどもあげられます。

 コーヒー黄金時代を支えたインドネシアのジャバコーヒーですが、1860年から1900年初頭にかけてコーヒーノキを枯らすサビ病がインドからインドネシアにかけて大流行し、壊滅的な被害を受けてしまいます。同じく壊滅的な被害を受けたスリランカでは、この時にコーヒーを栽培を見限って紅茶栽培に転向したことは有名な話です。インドネシアではアラビカ種より耐病性のあるロブスタ種が栽培されるようになり、ジャバコーヒーの黄金時代は終焉に向かいます。それに伴い、サビ病以前の大粒で細長い容姿とされていたジャバコーヒーは、途絶えてしまいます。現在、ハッキリとした資料がなく不明な部分も多いですが、スマトラ島シディカラン周辺のマンデリンなどの一部が、サビ病以前アラビカ種じゃないかと言われています。もしかしたら、アチェのロングベリーもサビ病以前のアラビカ種の生き残りかも知れません。

 そんな中、1928年、アラビカ二大品種のひとつであるティピカの名付け親でもあるPJS.クレーマーによって、耐病性があるかもしれないという理由で、いくつかのエチオピアのアビシニアと呼ばれるコーヒー品種をインドネシアに持ち込まれます。結果的には耐病性はなかったものの、これらは原種に近い高品質なコーヒーとして一部の地域で栽培され続けていたようです。アチェで栽培されていたロングベリーも、その時に持ち込まれたアビシニアと呼ばれるコーヒーのひとつだったかも知れません。

 これらは仮説に過ぎませんが、この【スマトラ ワハナ ロングベリー ウォッシュド】はコーヒーの歴史とロマンに触れることの出来るユニークなコーヒーです。

テイスティング ノート

丸みのあるクリーンで柔らかな柑橘系の酸味とフレーバーが上品で、口当たりがクリーミーでバターミルクのような甘味があります。飲みすすめていくほど円やかな甘味が広がるコーヒーです。

甘味 ★★★★★★★
コク ★★★★★★
まろやかさ ★★★★★★★
香り ★★★★★★★
酸味  ★★★★
苦味 ★★★

★印8段階、オススメ焙煎での評価です。

コーヒー豆 データ

農園名 ワハナ・グラハ・マクムール農園
責任者 マリア・ゴレディ
エリア スマトラ島 シディカラン
品種 ロングベリー
規格 グレード1
プロセス ウォッシュド
標高 1250~1300m
オススメ焙煎 中浅煎り